GPSを使った浮気調査は夫婦間でも違法?

読むとわかること

  • GPSを使った浮気調査が、たとえ夫婦間でも違法とされる可能性がある理由
  • 個人で位置情報を調べる際に法律違反となるケースやグレーゾーン
  • 自分で浮気調査を行うことで生じる発覚・逆訴訟などの重大リスク
  • 探偵に依頼することで得られる安全性・合法性・証拠能力の違い
  • 法的トラブルを避けながら、確実な証拠を得るための最適な方法

自分でやるのは危険、探偵に頼むのが安全な理由とは

「最近、パートナーの行動が怪しい」「浮気しているかもしれない…」
そんな疑念が芽生えたとき、インターネットで調べると必ず目にするのが「GPSによる位置情報の把握」です。手軽にできそうな方法に見えるかもしれませんが、実はこのGPS調査、たとえ夫婦間であっても違法となる可能性があるのです。
本コラムでは、GPS調査の法的リスクや個人で行う際の注意点、そして探偵に依頼するメリットについて、わかりやすく解説します。

1. 夫婦間でもGPS浮気調査は違法になる可能性がある

「夫婦なんだから、相手の居場所を知るくらい当然でしょ」「浮気しているのか確かめたいだけなのに、何が悪いの?」
――そう思ってしまう気持ちは、決して珍しくありません。実際、日々の不審な行動が続いたり、スマホをずっと手放さなかったりと、不安なサインを目の当たりにすれば、居場所を追跡したいというのはごく自然な感情です。

しかし、現代の法律は、夫婦間であってもプライバシーをしっかりと保護する方向へと大きくシフトしています。とくに2021年に改正されたストーカー規制法では、「本人の同意なく、その所持する物にGPSを取り付けて位置情報を取得すること」が、はっきりと禁止されました。この規定は恋人や元交際相手はもちろんのこと、婚姻関係にある配偶者や内縁関係のパートナーにも適用される点が重要です。

つまり、「夫婦だから」「家族だから」という理由であっても、相手の同意なしにGPSを用いて位置情報を取得する行為は、明確に違法とされる可能性があるのです。

さらに注意すべきは、スマートフォンに無断で位置情報アプリをインストールするケース。これもまた、不正アクセス禁止法プライバシー権の侵害として、法的に訴えられるリスクがあります。アプリのアイコンを隠したり、遠隔操作できるようにした場合は、悪質性が高いと判断される可能性もあります。

実際のところ、「浮気を疑っていただけなのに、こちらが加害者扱いされた」「証拠を集めたつもりが、逆に慰謝料を請求されそうになった」などというケースも珍しくありません。

感情的には納得しがたいかもしれませんが、法律の世界では正しい動機だけでは免責されないのです。たとえ相手が不貞行為をしていたとしても、こちらが違法な手段で調査を行えば、立場が逆転することも十分にあり得ます。

「浮気をされているかもしれない」と苦しんでいるのはあなた自身なのに、証拠集めが原因でさらに傷つく――そんな本末転倒な事態を避けるためにも、まずは冷静に法律のラインを理解することが重要です。

2. 違法になるケースとグレーゾーンを知っておく

GPSを使った浮気調査において、「どのラインを越えると違法になるのか」は非常に分かりにくい問題です。
明確にアウトとされる行為もあれば、一見するとセーフに見えるけれど、実は法律のグレーゾーンだったというケースも多くあります。
ここでは、よくある具体的なケースをもとに、「何が違法になり得るのか」「どこに注意すべきか」を詳しく見ていきましょう。

相手名義の車やカバン・スマホにGPSを設置した場合

これは最もよくあるケースであり、完全に違法とされる行為です。
たとえば、夫の車が夫個人の名義であり、そこに無断でGPSを設置した場合、それはストーカー規制法違反やプライバシー権の侵害に該当します。
また、バッグの内側に小型GPSを忍ばせる、スマートフォンに追跡アプリをインストールするなども、不正アクセス禁止法や器物損壊罪に問われる可能性があります。
本人に気づかれなければ大丈夫…と思うかもしれませんが、実際に見つかった場合は、証拠集めどころか逆にトラブルの火種となりかねません。

夫婦の共有名義の車にGPSを設置した場合

「共有財産だから問題ないだろう」と考えがちですが、実はここが典型的なグレーゾーンです。共有名義であっても、相手の私的な行動を無断で追跡することはプライバシーの侵害とみなされる可能性が高いのです。特に、相手がその車を日常的に一人で使っているような場合には、実質的に個人所有と判断されることもあります
家庭内トラブルの延長線で軽い気持ちで行った行為が、結果的に訴訟沙汰になる可能性もあるため、要注意です。

自分名義の車にGPSを設置した場合

このケースは一見合法に見えます。確かに車の所有者が自分であれば、GPS機器の設置そのものに違法性はないとされるのが一般的です。
しかし注意すべきは、「その車を誰が使っているか」という点です。
たとえば、名義は自分でも、日常的にパートナーがその車を使っていて、実質的に相手の専用車のようになっている場合、相手のプライバシーを侵害していると判断されることもあります。

グレーゾーンの判断は非常に難しい

このように、GPSの設置が合法か違法かの判断は、形式的な名義や所有権だけでは決まらないというのが実情です。
裁判では、設置された状況、使用者の実態、設置者の意図など、さまざまな事情が考慮され、ケースごとに判断されます。

また、仮に違法性が立証されなかったとしても、倫理的な問題家庭内での深刻な信頼崩壊を招くリスクも無視できません。

違法に得た証拠は裁判で無効に

さらに見落とされがちなのが、違法に取得した証拠は裁判では原則として「証拠能力がない」という点です。
つまり、せっかく位置情報を記録しても、それが違法な手段で集められたものであれば、証拠として採用されないばかりか、あなた自身が不利な立場になる可能性もあるのです。

正義感や切実な思いがあったとしても、法律はあくまでも手続きの正しさを重視します。
結果として、感情的にも時間的にも大きな損失を被ることになる――それが個人による無断調査の大きな落とし穴なのです。

3. 個人でGPS調査を行うことの大きなリスク

法律違反の可能性があることはもちろん、個人で浮気調査を行うことには、思っている以上に多くのリスクが潜んでいます
GPS機器が市販されていることから、「簡単に調査できそう」「費用もかからないし、まずは自分でやってみよう」と考える方も少なくありません。ですが、実際には、その“自己判断”が後々取り返しのつかない事態を招くこともあるのです。

発覚のリスク

どれほど小型で目立たないGPS機器であっても、完全に隠し通せるとは限りません。たとえば車の点検や洗車のタイミングで、ふとした瞬間に相手が気づくことは十分にあり得ます。
「なぜこんなものが車に?」と疑念を持たれれば、信頼関係は一気に崩壊し、夫婦関係が修復困難になることも。
さらに、「自分の行動が監視されていた」として、相手が逆上し、法的措置や慰謝料請求を検討し始めるケースも現実に存在します。
つまり、発覚した瞬間から立場が一変するリスクがあるということです。

法的リスク

自己流の調査は、知らず知らずのうちに法律違反に足を踏み入れてしまう可能性が高いのが怖いところです。
GPSを相手の所持品に取り付ける行為や、スマートフォンに追跡アプリを無断で仕込む行為は、ストーカー規制法や不正アクセス禁止法に抵触する恐れがあります。
たとえ「浮気している側が悪い」という思いがあったとしても、違法行為を行った事実があれば、法的責任はあなた自身に降りかかってきます。
場合によっては、損害賠償や慰謝料を請求されるリスクすらあるのです。

証拠能力の弱さ

もうひとつ、見落としがちな落とし穴が「GPS情報そのものの証拠能力の弱さ」です。
GPSが示すのは、あくまで「その場所にいた可能性がある」という情報にすぎません。
たとえ怪しい場所に頻繁に出入りしていた記録があったとしても、それだけでは浮気の決定的な証拠にはなりません
裁判で重要視されるのは、「誰と」「どのような関係で」「何をしていたか」といった、より具体的な事実関係です。
つまり、GPS情報だけでは肝心な部分が証明できず、逆に「個人が違法に集めた無効な証拠」として裁判で不利になることもあります。

感情的な判断がリスクを招く

浮気を疑っているときは、どうしても冷静さを欠いてしまいがちです。「自分でやったほうが早い」「いますぐ白黒つけたい」という気持ちは理解できますが、焦りや感情的な行動こそが最大の落とし穴です。
結果的に、相手の浮気を暴くどころか、あなた自身の立場を危うくしてしまうこともあるのです。
調査は“手段”であって、“目的”はあくまで真実の把握と、今後の対応です。だからこそ、正しいやり方と冷静な判断が不可欠なのです。

4. 探偵に依頼するのが安全で確実な理由

個人でのGPS調査には数多くのリスクがある一方で、浮気調査の専門家である探偵に依頼すれば、それらの問題を大きく回避できます
探偵業は公安委員会への届出を義務づけられた正規の業務であり、調査に必要なノウハウや法知識を備えています。
「探偵に頼るなんて大げさでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、問題を安全かつ確実に解決するためには、むしろ最も堅実な手段と言えるでしょう。

法律を熟知したプロが対応

探偵は、調査業務に関連する法律――たとえばストーカー規制法、個人情報保護法、民法、刑法などに精通しています。
そのため、依頼者の目的を的確にヒアリングし、法律の範囲内で、適切かつ合法な方法による調査を実施します。
個人が独断で行う調査のように、うっかり違法行為に手を出してしまうリスクはありません。

裁判でも通用する証拠を収集

プロの探偵は、ただGPSで居場所を追跡するだけではありません。張り込みや尾行、行動撮影など、さまざまな調査手法を組み合わせて、「誰と・どこで・何をしていたか」を明確に記録します。
これにより、浮気の事実を具体的かつ明確に裏付ける証拠――つまり、裁判でも有効性が認められる証拠を手にすることが可能になります。

精神的な負担の軽減

調査を自分で行うとなると、日々のストレスや罪悪感、不安などで精神的な負荷が大きくのしかかります。
さらに、調査に失敗した場合のショックや、相手に発覚したときの恐怖は計り知れません。
探偵に依頼すれば、そうした精神的ダメージを軽減することができ、冷静に状況を見つめ直す時間と心の余裕を取り戻すことができます。

トラブルや逆訴訟の回避

探偵が合法的に行った調査で得られた証拠であれば、違法調査による逆訴訟の心配もなく、安心して活用することができます
たとえば、違法に集めた情報をもとに離婚を申し立てた場合、逆に「違法調査があった」として不利になることもあります。
そうした回避可能なトラブルを避ける意味でも、探偵への依頼は非常に有効です。

問題解決の第一歩としての「依頼」

探偵に依頼するという行為は、「自分だけで何とかしようとすることをやめる」という意味でも、問題解決に向けた大きな一歩です。
決して「人に頼る弱さ」ではなく、最も賢明な手段の選択なのです。

まとめ:疑いが確信に変わる前に、冷静な判断を

浮気を疑う気持ちは、日々の生活に影を落とし、心を強く揺さぶるものです。
不安・焦り・怒り・悲しみ――こうした複雑な感情のなかで、冷静に判断するのは容易ではありません。

しかし、そんなときこそ冷静に立ち止まり、「その行動は本当に安全か」「証拠として有効か」と自問することが大切です。
GPSを使った浮気調査は、たとえ夫婦間であっても違法とされる可能性があり、軽い気持ちで手を出すことは危険です。

真実を知ること、そしてその後の人生をより良くすることが目的であるならば、最初の一歩を誤らないことが何より重要です。
安全に、そして確実に証拠を得たいと考えているなら、信頼できる探偵への相談を検討することを強くおすすめします。
あなたの不安が、安心へと変わる一歩となるかもしれません。